OsakaMICTの日記

最先端の低侵襲心臓血管治療を紹介します。 どなたもご覧になってください。

高齢者胸腹部大動脈瘤に対し開窓型ステントグラフト治療が有効であった症例

胸腹部大動脈瘤の手術は侵襲度が高いことが大きな問題でありますが、今後承認が期待される分枝型・開窓型ステントグラフトを用いることで、まさに「きらずに治す」ことが可能となります。
今回は、臨床研究にて開窓型ステントグラフトを使用し、高齢患者にその有用性が示されたのでご報告致します。

 

患者さんは88歳女性。
最大径60mmの胸腹部大動脈瘤(クロフォード分類5型)を指摘され、当院に紹介となりました。
ご高齢でありfrailtyも高いことから、通常の開胸人工血管置換術はもちろん、腹部分枝のデブランチ手術もリスクが高いと考えられました。

 

今回の臨床研究では、患者さんにあわせた企業製カスタムメイドステントグラフトを用いて手術を行いました。

 

術中に撮像したDynaCTのガイド下に、開窓型ステントグラフトの「窓」をSMA開口部に合わせ、まずはステントグラフト本体を留置しました。
続いて開窓部からSMAに小口径ステントグラフトを留置することで動脈瘤をexclusionし治療を完遂いたしました。
手術時間は118分でした。

 

術後経過は良好で、合併症を認めず約1週間で退院となりました。
術後のCT検査ではエンドリーク(脇漏れ)を認めておらず、分枝の開存も良好でした。

 

治療の難しい胸腹部大動脈瘤に対し、開窓型ステントグラフトを使用することで低侵襲に治療が可能であった1例となりました。

 

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僧帽弁人工弁機能不全症に対して、経心尖・経カテーテル的僧帽弁植込み術を施行しました

6月20日、心移植待機患者(DCM EF 23%、CRTD植込み後、MVR後、心筋シート移植後)の僧帽弁人工弁機能不全症(重度僧帽弁閉鎖不全症兼狭窄症)に対してon-pump TA-MVI(経心尖・経カテーテル的僧帽弁植込み術)を施行しました。


重症心不全チームとのコラボレーションもうまくいき、手術時間111分、出血量 160ml、pump時間19分で終了。


術後4時間で抜管し、現在リハビリ中と極めて良好な経過です。
改めて真の低侵襲治療を実感しました。


現在、人工弁機能不全に対するカテーテル治療は保険適応外とされてますが、大阪大学では倫理委員会承認のもと積極的に行っております。
お悩みの方がおられましたら是非ご連絡下さい!

 

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感染性大動脈瘤に対するステントグラフト治療の有用性が示された症例

感染性大動脈瘤に対し、ステントグラフト治療の有用性があることを報告した我々の研究が心臓血管外科学会の優秀演題に選出されましたが、今回は、まさにそのステントグラフト治療の有用性が示された症例をご報告致します。

 

基礎疾患に糖尿病をもつ73歳男性。

1ヶ月近くの腹痛と発熱を繰り返し、精査目的のCTにて感染性胸腹部大動脈瘤を指摘されました。

当科入院時、WBC13800、CRP15.55と高値を認め、血液培養では肺炎球菌を検出しました。

造影CTでは、急速に拡大する6cm大の嚢状胸腹部大動脈を認め、破裂の危険性が高いと判断しました。

TEVARではSMAのプロテクションワイヤーを一時的に留置し、腹腔動脈を閉塞する形でSMA直上にステントグラフトを留置しました。

術後は感受性を考慮した抗生剤治療を継続し、術後1週間でWBC7000、CRP2.54と著明に低下し、術後4週間でCRPが陰性化しました。

術後1ヶ月でのCTでは、大動脈瘤の著明な縮小を認めております。

今後も引き続き、内服での抗生剤治療の継続は必要ですが、感染性大動脈瘤に対してステントグラフト治療が非常に有用であった1例となりました。

 

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感染性大動脈瘤に対するステントグラフト治療

 

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当院19例目の二尖弁ASに対するTAVIを行いました。

今週当院19例目の二尖弁ASに対するTAVIを行いました。
いわゆるtype 0型ですがEvolut Rを用いてPVL: trivialで終了。
二尖弁は一般的にTAVIが困難とされていますが、当院ではこれまでのノウハウをいかし、非常に良好な成績が得られております。
お悩みの方がおられましたらご連絡ください!

 


Evolut R for BAV

総腸骨動脈瘤に対する新しいステントグラフト治療!!

今までの総腸骨動脈瘤に対するステントグラフト治療では、内腸骨動脈を温存することが不可能でした。

今回使用したGore社の新しいデバイスIBE(Iliac Branch Endoprosthesis)は、Excluderと組み合わせることで、今まで通りの鼠径部皮膚切開で内腸骨動脈を温存したステントグラフト治療が可能となりました。

最初に総腸骨動脈用のデバイスを挿入し、その対側から内腸骨動脈用のデバイスを挿入し、最後にメインのExcluderのデバイスを挿入し完成させます。

先日、当院1例目の患者さまに治療を行い、見事に成功しました。

総腸骨動脈瘤の患者さまに、新しい低侵襲治療のオプションとして内腸骨動脈の血流を温存した上で、体に優しい治療が提供できると期待される新しいステントグラフト治療です。


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総腸骨動脈瘤に対する新しいステントグラフト治療

 

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中川敬也先生が第47回日本心臓血管外科学会学術総会にて優秀演題賞を受賞しました。

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阪大大血管治療チームの若手のホープ、中川敬也先生が2017年第47回日本心臓血管外科学会学術総会にて優秀演題賞を受賞しました。
演題は「感染性大動脈瘤に対するステントグラフト治療後の遠隔成績及び感染制御因子の検討」。
これまで有効性に議論があった感染性大動脈瘤に対するステントグラフト治療に一定の有用性があることを示し、またその限界を解析したことが評価されました。
感染性大動脈瘤は治療の難しい病気ですが、今回の解析結果をもとに、全ての患者さんに最適な治療を提供できれば嬉しいです!

 

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日本初のEvolut R成功!


日本初のEvolut R成功!
本日、国内承認済みのdevice「Evolut R」の植込みに成功しました(当院410例目)。CoreValveと形はそっくりですが、動作が全く違いました。しかしBrian先生の指導のもと完璧な位置で植込みました。もちろんblockもなく、leakもtrivial。CoreValve同様supraannularのため、狭小弁をお持ちの患者様には有用なのはもちろんの事、やり直しが可能(recapturable)となりますから(もっとも、本日は必要ありませんでしたが・・・)、今後は国内でも急速に普及する可能性を感じました。はっきり言って予想以上です。
大阪大学TAVI teamは、今後も最先端の低侵襲治療を患者様に提供し続けます。

 

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Brian先生と倉谷教授。

 

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本日のチーム。