OsakaMICTの日記

最先端の低侵襲心臓血管治療を紹介します。 どなたもご覧になってください。

大阪大学においてTAVI400例を達成!

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昨日、ついに通算TAVI症例400例を達成しました!

思えば2
009年からの長い道のりでしたが、これまで多くの高リスク患者さんを治療しつつも「術後30日死亡1.0%」と極めて良好な成績を収めることができたのは、支えていただきましたメンバーの皆さんのたゆまぬ努力の賜物と思っています。これからも日本のTAVIのパイオニアとして、良質な治療を提供すべく精進して参ります!今後とも何卒よろしくお願いいたします

 
※TAVI=経カテーテル的大動脈弁植え込み術

腎動脈を巻き込んだ腹部大動脈瘤の新術式「ChEVAS」は、素晴らしい!


「ChEVAS」=chimney+EVASを組み合わせた新しい治療法の症例動画を、供覧いたします。

【背景】
腎動脈下腹部大動脈(Infra-renal type AAA)に対して1990年代よりステントグラフト治療(Endoavascular
aortic repair: EVAR)が行われ、その低侵襲性のため広く世界中に普及しています。しかし腎動脈を巻き込んだ腹部大動脈瘤(Jucsta-renal
type AAA)に対してEVARで治療する場合は、
1.開窓型custom-made deviceを使用し
2.Chimney graft techniqueで手術する
のが通常です。
開窓型デバイスは世界で用いられていますが、日本では保険適用外であり、かつcustom-madeなので一つひとつのデバイスに安全性は担保されません。またchimney
graft techniqueは、デバイスの使途としてそもそもoff-label
useであり、かつ近年中枢側のステントグラフト間(gutter)からのendoleakが大きな問題となっています。
【ChEVASの特徴】
そこで登場したのがNellixを用いたEndovascular aortic sealing (EVAS)とchimney graft
techniqueを組み合わせた「ChEVAS(チーバス)」という術式です。Nellixは、今年3月に阪大による本邦初症例の成功をこのページでも報告したとおりです。瘤内および中枢側と末梢側にendobagという拡張性の強い袋の中にpolymerを注入することにより、全体を固定して、endoleakを防ぐしくみです。
今回のChEVASはこのpolymerによる固定のしくみを利用した訳です。中枢側に腎動脈に挿入した細い2本のステントグラフトとNellix2本、計4本のステントグラフトをpolymerで固定しました。
【今後の期待】
この術式を利用すれば、通常のChimneyと違ってgutterからのendoleakに困ることなく治療することができて、安全性向上と患者負担軽減が図れます。さらには、SMA(上腸間膜動脈)を巻き込んだ胸腹部大動脈瘤へも、同じ術式が利用できる可能性があります。

Nellixの早急な保険承認を切に期待します。

⇒実際の症例ビデオを用意しましたので、ぜひ関係の皆様にてシェアしてくださるようお願いいたします。

★医師の方はフルの動画(術前のマルチスライスCT画像も含まれます)を、QLifeBOXからダウンロードできます。自由にご閲覧ください。
https://qlifebox.jp/handai/

『Self-expandable deviceを用いたTAVIの早期成績』が優秀演題に

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連日連夜のオリンピック・メダルラッシュが日本列島を熱くしていますが、つい昨日、当チームにもメダル獲得者が出ました!
政田健太先生によるJTVT2016での発表が「優秀演題」に選ばれました。
演題タイトルは『Self-expandable deviceを用いたTAVIの早期成績』です。評価されたポイントは日本一の症例数と良好な成績と弁留置位置に関する詳細な検討をしていたことでしょうか。
ちなみにJTVT=Japan Transcatheter Valve Therapies「日本経カテーテル心臓弁治療学会」の学術集会は2010年から毎年開催されていますが、内科系・外科系の両方で共同運営しているのが特徴です。

『超ハイリスク大動脈弁狭窄症患者へのTAVI施行例』~2尖弁に対するTAVIは緊急でも可能か~


手術翌日の動画(患者さんの許諾を得ています)をご覧ください。

先週、大動脈弁狭窄症および重症心不全にて当院に搬送となり、緊急でTAVIを施行した症例を供覧いたします。

緊急CT検査の結果を、放射線科、消化器内科、呼吸器内科と一緒に検討、確認をして(チーム医療)、TAVIでの治療を行うことになりました。重症の心不全を患い、しかも弁が2尖弁(本来3つに分かれて動くところが、2つにしか分かれていない異形)で石灰化も進んで固くなり、弁輪(弁のまわり)とくっついているという、非常に難しい状態でした。そのためバルーンで広げるタイプのデバイスでは(Sapien3でも)不可能と判断して、CoreValve(日本メドトロニックMedtronic社製の自己拡張型経カテーテル大動脈生体弁システム)を使用しました。

2尖弁における弁選択の計測は3尖弁とは全く違い、Basal ringより5mm上方(大動脈側)より1mm刻みで10mmまで収縮期の弁の開きを測定します(弁が入った場合を考慮してやや大きめを測定)。そのサイズを元に、弁を選択します。そのため今回もBasal ringはperimeterで80mm以上ありましたが、5mm以上からは70mm以下であったため、CoreValve 26mmを選択しました。

手術は、全身麻酔、PCPS stand-byで行い、心室はかなり心不全で拡張していたため、Safari-Sを使用。弁の石灰化が強すぎ、CoreValveのデプロイ後nose-coneが抜去出来ない場合を考え、16mm balloonでBAVを久しぶりに行いました。それにてwireを十分に心尖に圧着させ、挿入しました。弁が1/3開いたところで、ダイブを恐れて120程度でRapid pacing施行し、いい位置に挿入できました。2尖弁で且つ上行大動脈がHorizontal positionとのことで、心配したのですが、なかなかいいチームプレーでした。

無事に手術は成功し、翌日には患者さんは院内をどこまでも歩いていこうとするほどの、見事な回復を見せてくださいました。

 

※医師の方には「詳細データ掲載スライド群」「エコー動画集」を用意しております。QLifeBOXからダウンロードできます。自由にご閲覧ください。ただし無断転用はご遠慮ください。
https://qlifebox.jp/handai/

Sapien3の症例動画・ダイジェスト版

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以前に日本初のサピエン3経大腿システム症例を報告しましたが、その詳細動画を供覧いたします。
Sapien3は、エドワーズライフサイエンス社製の新しいTAVIデバイスで、SapienXTの後継品です。LV側にcuffが装備され、perileakを大幅に減らせると言われています。
ただ、動画を見ていただいてもわかりますが、デバイスが大動脈側にデプロイ中に移動するという若干恐ろしい現象が生じて(注:これは想定の動きらしいです)、少し緊張します。また、Pacemaker植え込みの率が高いとか、ST junctionに接触しやすくなり損傷はないのか、弁が長くなったので冠動脈の閉塞やPCIがやりにくくなるとか色々なことが提示されてはいます。
とはいえ、これが世界的には標準の世代のデバイスであることも事実です。日本にとっては(特に患者さんのことを考えると)、新しいデバイスをどんどん導入してはやく世界水準になることが大事と思います!その意味で、ぜひシェアをお願いいたします。なおダイジェスト版ですので、実際の時間より2倍速の動画となっています。
※医師の方はフルの動画集(順を追って全9ファイルで構成されます)を、QLifeBOXからダウンロードできます。自由にご閲覧ください。ただし無断転用はご遠慮ください。

 

htpps://qlifebox.jp/handai/

米国学会たより

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5月14日から18日までアメリカ胸部外科学会(American Association for Thoracic Surgery: AATS)が開催されました。
阪大の心臓血管外科から仲村先生、熱田先生、金谷先生、横山先生が参加をして、当教室からは桝田浩禎先生が参加してきました。
桝田先生いわく、「教科書にも出てくる有名な先生方がこの壇上に上がり、この巨大スクリーン一面に映し出されながら発表されていました。海外学会っていろんなところがかっこいいですね。いつかこんな大舞台で発表してみたいとモチベーションが上がりました。」

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今年の開催地は、メリーランド州ボルチモア(Baltimore)です。
古くから港町として栄えた街で、学会会場は、観光名所でもあるインナーハーバーのすぐ近くです。
広大なアメリカでは大きな建物はあっても密集していないため空が広く、日差しが強く感じられました。

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会場は、Baltimore Convention Center  です。モーターショーなども行われるほど大きい会場です。

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こんな噴水が会場のなかにあるくらい、本当に大きな会場でした。なかなか日本では見かけない規模です。

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日本初の、Sapien3を使った治療を施行

日本初の、Sapien3(エドワーズライフサイエンス社製の新しいTAVIデバイス)を使った治療を、施行しました。患者さんにとって、低侵襲治療の選択肢がまた一つ増えました!
症例は87歳男性です。心不全症状を有する重症大動脈弁狭窄症で、26mm弁をNormal balloon sizeでTAVIを使用しました。