OsakaMICTの日記

最先端の低侵襲心臓血管治療を紹介します。 どなたもご覧になってください。

梅田の交差点で、51歳の方の大動脈解離の交通事故が報道されましたが・・・

つい最近、梅田の交差点で、痛ましい交通事故がありました。運転していた方は51歳と若いですが、「大動脈解離」を発症して意識を失っていたのではないか、と報道されています。気の毒な事故でしたが、こうした機会をとらえて啓発をするのも医療者の務めなので、重要なことに絞ってお伝えします。もしシェアしてくだされば幸いです。

■大動脈解離とは?
大動脈(心臓から全身に血液を送る血管)の内側の壁が裂け、裂けた内膜と外膜の間に血液が流れ込む病気です。裂けた場所や流れ込む血液の量によっては、意識を失くしたり、心臓が動かなくなって死に至るなど、重篤な症状を起こします。それでいてこの病気は予兆が少なく、発症すると非常に痛みが強いうえに、ほとんどの場合早急な対処が不可欠です。

■気をつけることは?
50歳以上から注意が必要です。なかでも高血圧の方。また、遺伝的要因もあると言われるので、もし家族にこの病気にかかった方がいる場合は、ぜひお近くの心臓血管外科、循環器内科での検査をおすすめします。通常の健康診断ではほぼ見つかりませんので、気になったら受けてみることが大切です。(もちろん関西在住の方なら、私達が対応可能です。pts★tss.med.osaka-u.ac.jpに(★を@に換えて)メール送って頂ければ、ご相談にも、できる限り対応いたします。)
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なおメディアの皆さんも、今回は丁寧な説明つきで報道してくださったところが多いように思います。NHKのニュース番組や産経新聞など、いくつか取材を受けました。
http://www.sankei.com/west/news/160302/wst1603020086-n1.html

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